韓国のこれまでの大統領が退任した後、必ずと言っていいほど悲惨な目に合ってきたのをご存じですか?
政党が変わったら前政権を悪く言うのはどの国でもあるあるだと思いますが、韓国はそれが特に激しいのが特徴です。
逮捕されるだけならまだしも、暗殺されたり自ら命を絶ってしまったり…。どうして歴代の韓国大統領の運命が悲劇になってしまうのか、理由がとても気になりますよね。
なので今日は韓国の歴代大統領の退任後が悲劇になる理由と、各大統領がおこなった政策そしてその後の運命を詳しくご紹介します。
韓国の歴代大統領の退任後が悲劇となる理由
韓国が民主化されたのは1987年。じつは民主主義になってまだ間もなく、それまでは軍事独裁政権でした。
これまでの歴代の韓国大統領のほとんどが罪を問われて裁かれています。韓国大統領の退任後が悲劇となってしまう理由は大きく分けて3つあるんです。
韓国大統領の任期は5年1期、再任はありません。
1度しか大統領になれないですが、任期中の5年間は絶対的な権力を持つことができます。
また「職人などの社会的地位は低くて、役人や財閥は高ステイタス」という風潮が国全体にあるのも重なり、大統領やその周辺の人たちによる不正が行われやすいんです。
身内がみんな利権に群がり、やりたい放題となってしまうのは「強すぎて短かすぎる」政権スタイルだからという理由が大きいのではないでしょうか。
絶対的権力なだけに、ささいな事ではなかなか捕まりません。権力を得ながらも法を守るってことがいかに難しいのかが見て取れます。
韓国の人たちは基本的に血縁関係が強くて、家族や自分のコミュニティとの絆をとても大事にします。
身内意識が強く、一般家庭でも「親族の中でお金持ちがいれば、親族の子どもの学費や生活費を出すのは当たり前」という感覚だったりするんです。
一方で党派同士の暗殺や虐殺の伝統がいまだに残っているともいわれます。
絆が強いだけに、いったん関係がくずれると激しい争いになってしまう傾向にあるんです。
朝鮮半島では仲間割れや派閥争いが起こって、それが亡国の原因となってしまったこともあります。
朝鮮王朝時代、東と西にそれぞれグループが形成されて結束を強めていました。でもお互いの主張が強くなりすぎて対立するようになります。
国内で不毛な東西対決をしている間に、豊臣秀吉に攻め込まれたという歴史もあるんです。。
遡及法(そきゅうほう)を定めたのは第14代大統領のキムヨンサム。
だから歴代の大統領のほぼ全員がとんでもない目に合うという悲劇を作ってしまっています。
なぜ遡及法を取り入れるのかは明白です。
すべては自分のクリーンさをアピールして支持率を上げるため。前任者を否定して逮捕したりするのです。
大統領の任期が終わったとたんに自分や側近たち、家族または親族がこれまでやってきたこと全部ひっくるめて責任を追及されます。
権力を失った人間は徹底的に罪を問われることに…。それくらい前任の影響力を排除しないと、自分のやりたい事ができないのかもしれないですね。
【韓国の歴代大統領】行った政策とその後
韓国の歴代の大統領がおこなった政策と、任期が終わったその後がどんな運命だったのかをざっくりとご紹介します。

引用:JIJI.COM
第1代から3代大統領。
アメリカのバックアップを受け、議員による間接選挙で選ばれた初代の大統領です。
途中で国民が大統領を選ぶ直接選挙に変え、初代につき3期までやれるように憲法を変えました。
不正選挙で4期までやろうとしたのですが、軍にも愛想をつかされてクーデターによってハワイへ亡命。
じつは1代目のイスンマンの作り上げた社会が今も色濃く残っているんです。
竹島問題だったり、財閥を作ったのもイ・スンマン。それにより財閥に入るために超学歴社会となりました。
「日本に対抗して作った国」という、韓国国民での共通したストーリーで反日思想を作ったのもイ・スンマンです。

引用:JIJI.COM
第4代大統領。
イ・スンマンがハワイへ亡命したので第4代大統領となりましたが、イ・スンマンと同じくクーデターで次期大統領のパクチョンヒにつぶされました。

引用:JIJI.COM
第5代から9代大統領。
かなり激しい独裁政治で、のちに大統領になるライバルのキムデジュンを暗殺しようとしたけど失敗に終わります。
結局パクチョンヒは任期の途中でKCIAという、韓国版CIAに暗殺されました。

引用:JIJI.COM
第10代大統領。
パクチョンヒの暗殺によって、首相だったチェギュハが代行しそのまま大統領に就任したのですが…。
実権は陸軍大将で次期大統領となったチョンドファンが握っていたため、主導権は握れませんでした。
なので大統領としての任期は短かったですが、歴代の大統領のなかで唯一チェギュハだけ静かな余生が送れたといいます。

引用:JIJI.COM
第11・12代大統領。
軍人出身で、パクチョンヒのクーデターを支持したのがチョンドファンです。
このとき「光州事件」という大規模なデモによる民主化運動が起こり、多くの国民が命を落としたために国民の反感を買います。
なので自分の言いなりになりそうなノ・テウを次の大統領に指名したのですが…そのノテウに不正蓄財をつつかれ逮捕、無期懲役となります。
ですが、のちに特別赦免(とくべつしゃめん)により釈放されました。

引用:JIJI.COM
第13代大統領。
軍人出身でチョンドファンと同期のノテウは、民主化したあと初めての大統領として選挙で選ばれた人です。
チョンドファンの不正を追及し逮捕したものの、退任後は自身の不正が発覚してノテウもまた逮捕となります。
懲役17年でしたが、のちに特別赦免により釈放されました。

引用:JIJI.COM
第14代大統領。
30年以上続いていた軍事政権を終わらせ、自身のクリーンさもアピールしつつ徹底的に無駄を排除していきます。
「金融実名制」を実施して口座を架空名義で作ることを禁止にしたところ、前大統領だったノ・テウの不正蓄財が明るみに出て逮捕。
そして前の項目でも書いた「遡及法」を定めたのもキムヨンサムです。
キム・ヨンサム自身はクリーンでも次男が業者から不正資金を受け取ったとして逮捕され、有罪判決を受けました。

引用:JIJI.COM
第15代大統領。
第5代~9代大統領のパクチョンヒに暗殺されそうになったキムデジュン。
密かに殺されて海に投棄されそうになるも、一命をとりとめた「金大中事件」は謎が多く、映画化されたほど話題になりました。
金大中事件の前にもじつはキムデジュンが乗っていた車にトラックが突っ込んで重傷を負ったこともあるんです。
身の危険を感じたキムデジュンはアメリカへ亡命して、しばらくは日本とアメリカを行き来していました。なぜか何度も命を狙われるはめになるキムデジュン…。
大統領に就任してからは財閥を解体しようとするも失敗に終わります。
また北朝鮮との「太陽政策」を進めて北朝鮮を訪問した初めての大統領となり、これが評価されてノーベル平和賞を受賞しました。
ですが、のちに企業財閥から北朝鮮に多額のお金が支払われたという事実が発覚。お金でノーベル賞を買ったんじゃないか?とも疑われています。
そしてキムデジュンも3人の息子が全員逮捕され起訴されました。

引用:JIJI.COM
第16代大統領。
ノムヒョンは「386世代」といわれ、北朝鮮にあまり抵抗感がない世代としての初めての大統領です。
キムデジュンと同様に北朝鮮とは融和しようと「太陽政策」をとり、日本に対しては反日を強めるという政策でした。
退任後は親族や側近が不正疑惑で相次いで逮捕され、ノムヒョン自身も捜査対象となっている最中に飛び降り自ら命を絶ってしまいました。

引用:JIJI.COM
第17代大統領。
イミョンバクは北朝鮮との融和はいったん打ち切り、日本に対しては反日を強めるという政策を行いました。
イミョンバクの実の兄が逮捕され、自身も土地の不正購入、収賄、職権乱用などの容疑で逮捕。またイミョンバクの長男も捜査対象となりました。

引用:JIJI.COM
第18代大統領。
パクチョンヒの娘であるパククネは韓国初の女性大統領として当初はとても人気があったのですが…。
まずセウォル号沈没事件で国民の信頼を失います。さらに友だちを優遇してしまったことで初の弾劾裁判となり、任期の途中でクビになった初めての大統領…と、いろんな「初めて」であった人なのです。
懲役24年を言い渡されましたが、次期大統領のムンジェインの力でのちに特別赦免により釈放されました。

引用:毎日新聞
第19代大統領。
ムンジェインはノムヒョンの後継者です。なので北朝鮮と融和を図り、日本とはバチバチな政策をとりました。
ムンジェインの今後の運命はどうなるのか、とても気になるところです。
文在寅(ムン・ジェイン)の著書に興味のある方はチェックしてみてください。
まとめ
韓国の歴代大統領の退任後が悲劇になる理由は「強すぎて短かすぎる」任期であり、血縁関係の絆が強い国民性、そして遡及法を定めてしまったことにありました。
大統領たちのその後を見てみると、逮捕されて長い懲役判決となっても特別赦免により釈放される人が多いことに気づきます。
大統領になれば、前任者を逮捕することもできれば釈放することもできる、これが絶対的権力なんですね。
日本のことだけでなく、諸外国のことも客観視して歴史から学んで国民性を知ることも大事なのではないかと気づかされました。
最後までお読みいただきありがとうございます!